BL好きな人を見て

 中学校時代、イラスト部に所属していた。部員の半数は、BLの話題で盛り上がれる人だった。普通の生徒は「フジョシ」なんて言葉も知らなくて、漢字変換すらできないものだが、私は理解できるようになってしまった。彼らのせいである。

 なんでそんなことを言い出すかというと、最近 "Gender and Japanese society (ジェンダーと日本社会。邦訳はないか、未完)"を読んで、気になる考察があったから、それで連鎖的に思い出したのだ。漫画評論家のフジモトミサキ(漢字がわからない)は「ボーイズラブの台頭は、少女漫画の読者たちが、自分の性を肯定的に受け入れていないから」と分析しているらしい。覚束ない英語で読んでいるから、正確さは保証できないけど、そういえば、イラスト部にいたあの子たちは、決してスクールカーストの上位にはいなくて、ジャニーズ好きな女子たちに階層上位を独占されて、屈折し卑屈になっていた記憶がある。チャラいって理由で上位チームを馬鹿にすることはあっても、勝つことはないんだよね。で、恋愛ゲームは、ヒエラルキー上層部に許された、貴族のお遊びみたいな側面があった。

 「BL漫画にペニスは描かれない」という指摘も本の中にはあった。「だから、愛される美少年たちは、男性ではなく、性別を持っていない」「少女たちは、性を感じさせないから彼らに自己投入できる」おおまかに言えば、そんな感じだった。確かに、男同士だったら、この体位は不自然かなあ、と思えるコマもあるから、彼ら美少年は、女性のテイのいい変身なのかもしれない。出産という現実とも無縁。ふーん。「少女漫画では、今や女の子のほうがリードしてる」という考察もあった。そういう時代なのね。漫画雑誌、買わないからよく知らないけど、引っ込み思案な男のこと、積極的な女の子っていう組み合わせ、なんか既視感がある。

 だけど、自分の性を肯定的に見られないって、それは問題じゃない?漫画や表現って、それを解消するために動くことはないのね。って、そう思った一件。