恋愛経験がないのを嘆いてる場合じゃないだろ

 恋愛したことがないのは、どこかしら人間として欠点があるからではないか、と思ってた時期がある。周りの人々は、一度は告白したり、されたり、パートナーがいたりするものなのに、自分に訪れないのはどうしてなのか。そこには必ず理由があって、きっと何か治すべきところがあるんだ、と自信を失っていた。冷静に考えれば、性悪でも彼女や彼氏の絶えない人はいるし、これは自分から動くか否かの問題であって、待っているだけでは何も手に入らないのが世の常である。だから、誰かと恋愛関係に持ち込もうという努力を積極的にしてこなかった以上、文句を言う権利はない。と、ここまでは頭ではわかる。だがしかし、だがしかし、である。自然に生きていて「そうなる」ことだってあるじゃないか、なんで作為的にならなきゃならないんだ、と感情が反発する。恋愛に一切、興味がないのに、猛烈にアプローチされて付き合う人もいる中で、なんで自分は放っておかれるんだ。

 それって「誰かが好きって言ってくれない限り、自分のことなんか好きになれません」と言っているようなもので、要は自分に自信がないだけなんだろう。他者に承認欲求を満たしてもらうのはいいけど、依存するのはよくない。パートナーは自立した一人の人間であって、自分の自己満足に使う相手じゃない。愛されたことがないのは別にいい、愛したことがないのは問題だ。恋愛経験がないって嘆いてた自分は、要はエゴイストだった。私は愛さないけど、あなたは私を愛してね。それがひどく醜い要求なのは、それを言う側が至って身勝手な人間だからだ。そして、そこが「人間的な欠点」なのだとしたら、だから恋愛の機会を掴めないのであって、おのれの身勝手を認めるのが一番の近道だよ、嘆いてる場合じゃないだろ。と、過去に向かって言いたい。