味わえるって、一つの才能だから

 今日は台湾茶台湾茶のピークは夏と冬、冬茶はまだこれからも日本に入ってくるはず。渋みがないのが特徴で、ダージリンはセカンドよりファースト派という人は、ぜひ試してみてほしい。いや、本当に青々しいの、味が。爽やかなのですよ。

 紅茶の世界は、実はマナーが多い。カップの持ち方、お茶受けのお菓子をどれから食べるか、カトラリーの扱いは、云々。その点、中国・台湾系は「うるさいことは言いません、ゆったり構えてお茶を味わえ」という貫禄に満ちている。気取りを要求しないし、下手にエレガントに構えていたら、茶の味がわからなくなるから、ただゆるゆると、しかし気持ちはまっすぐにお茶に向ける。そうして初めて、口の中に、遠い異国の風が感じられるようになる。それは比喩じゃなくて、茶師さんが手作りしたものって、本当にそれくらいの感動に満ちてるんだよ。ワインの世界にいる人なら、その味わう感覚をわかっているんじゃないかって思う。彼らも、ありとあらゆる表現を駆使して味について語ろうとする。私は、そこまでは全然、行けてないけど。きっと、入り口はこういう場所なんだろうと思ってお茶を飲む。

 以前は、紅茶なんて皆ただの紅茶で、違いなんかわかりますかいな、飲んだらおしまいどすー、くらいに思っていたのだけど、これがどっこい、飲んでいれば、舌が好みを主張するようになるし、品質の確かなものに触れていれば、変なものには違和感が働くようになる。おかげで、いい加減な茶は貰っても飲めなくなった。

 味覚にどうこう言えるのは、健康で、時間に余裕のある時に限る。その上で、年月と根気と手間暇とお金をかけて、やっと味わうことの片鱗に辿り着く。美味しいものを美味しいと味わうだけで、その人は、大きなことを成し遂げているのだよ。