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好きな写真は、好きな絵よりも好きです

 写真はいい。絵画は、自分から踏み込んでじわじわ好きになるパターンが多いけど、写真は一発で心奪われる。無条件の「好き」って、こういう感覚なんだと思う。一目惚れという言葉も、人間同士では信じられないのに、自分と写真の間なら信じられる。そういうことは起こりうることだから。

 そういうとき、人の頭の中では、何が起こっているんだろう?だって、それはただの写真だし、言い換えてみれば紙とか画像だし、ただの紙や画面に感動なんてしないのに、そこにあるイメージには心を動かされる。このメカニズムは、どう考えても謎が残る。そこにあるものを「ありのままに」捉えたら、なんの思い入れも残らないだろうけど、想像力で魔法をかけるから、そこに芸術的な化学反応とでもいうべきものが起きるんであって、ありのままの世界なんて、なんだか殺風景で嫌だ。それくらいなら私は、嘘でもいいから彩(いろどり)のある世界に住んでいたい。