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Alles Grau

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 訳は「すべて灰色」。Isolation Berlinの曲。

 英語と同じで、isolationは「孤独、隔離」という意味だけど、ドイツ語話者は英語学習にホントに有利だよなあ。初めて「私の名前は~です」というのをやったときも「My name is」が「Mein Name ist(マイン・ナーメ・イスト)」になるだけと知って「そのまんまやん」と拍子抜けした記憶がある。単語の頭文字が全部一緒。アルファベット語圏に生まれるのは(どこの階級に生まれるかは別として)英語の習得には楽に決まってるやろう。

 「もう夢もないし、友達も一人もいない」と歌うわりに、旋律そのものにそんな暗い響きはない。たぶん、けだるいんだと思う。「もう死ぬことも怖くない♬」という歌詞もあるが、人生における浮遊感が最高潮に達した人って、こんな風に歌えるものだ。いろんなことがどうでもよくなって、自殺するほどの元気はないけど、このまま消えてもいいっていう無責任な、自分のことが一番どうでもいい気分。でもって、おもしろいことが何もないから、この世を捨てるに未練がない。それを表現する「灰色」っていう単語は利いてる。確かにグレーなんだ、そういう時、世界は白でも黒でもなく。いっそ真っ暗だったらまた違うことを言いたくなるだろうけれど、Alles Grau、すべてがあくまで灰色のまま、果ての見えない霧みたいに広がっている。それを閉塞感って言葉で片づけない人のために、歌にするっていう方法があることを証明しているような歌だ。