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『子ども』byジュール・ヴァレス

 愛って、重たくなったらおしまいだと思う。本当は、もっと爽やかで軽くて翼の生えている、心地よい風みたいなものであってほしい。「あなたのためにここまでしてあげたのよ!」と言ったが最後、愛は軽さを失って呪縛に変わる気がする。もともと形のないものを頑張って証明しようとすれば、結果は苦しみに決まってる。鹿島さんも『フランス文学は役に立つ』の中で、恋愛において、払った犠牲で愛を見せようとするのは破滅への道であるって言ってる。

 恋人だけじゃなく、それは親子間でも同じで「母親の払う犠牲は子どもへの愛」「料理に手間暇をかけることが愛情!」とかいう考えがのさばるの、本当に歯がゆいんですけど、どうにかなりませんかね。別にインスタントでも冷凍食品でもいいよ、母親が不機嫌で子どもに怖い顔してるよりいいわ。ましてその不機嫌が「あなたのため」と言われた日には「そういうの求めてないです」と言うしかない。言えないんだけどさ。

 バブル以後の子どもたちって、大人が与えてくれる物に対して、必死で喜んだ振りをしてきて「でも何か足りない。自分が欲しいのはこういうものじゃない」ってずっとくすぶっているような感じを受ける。親の「こうなってほしい」と、子どもの「欲しいのはそれじゃない」の感情は、いつの時代もすれ違うものだけど、そういうテーマに興味のある人、とにかく『子ども』は必見。