サン=テグジュペリの他の作品

 『星の王子さま』ばかりが注目されるサン=テグジュペリだけど、もともとこの人はパイロットである。偵察機搭乗員で、最後はコルシカ島を出発して行方不明。飛行機と共にあった半生なわけで、そのエッセイも、『王子さま』に劣らず質が高い。

 本名はアントワーヌ・ドゥ・サン=テグジュペリ。名前に「ドゥ」がつくのは貴族の家柄だ。海軍の受験に失敗→兵役で航空隊→民間の航空会社でパイロット。最終的には第二次世界大戦の出撃で失踪した。『人間の土地』では、砂漠のまん中で遭難したときのことや、空を飛んで、生きて帰らない兵隊たちのことが書かれている。『夜間飛行』も飛行機絡みの作品だから、むしろ『星の王子さま』のほうが稀有な存在だ。兵隊も飛行機もあまり関係がなくて、体裁はおとぎ話って、サン=テグジュペリにはほぼ見られない。私が知らないだけかもしれないけど。

 『人間の土地』に収められた「人間」は貴い。原語で読みたい。