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「食べ物を捨てるなんて」?

 食べ物を捨てるのはもったいないことだ、と教える人は多いけれど、それってどうなの?と思う。以前、大学の友人が「あそこのドーナツ、まずいよね。買った以上は食べたけどさあ……」と言うのを聞いたとき、「捨てれば?」と素で考えていた。お腹をゴミ箱にすることない、だから太るんだ。

 レストランでも「もったいないから、若い人が食べて」と子どもや後輩のところに皿を回す人がいるけれど、たいてい要らない。こっちだって食べたいものと食べたくないものがあって、残飯係じゃないのだ。もちろん、料理は残さないほうがいいには決まっている。だけど、それは他人に残り物を押し付ける理由にはならない。

 料理に払ったお金が惜しい、元を取りたいと思うのはわかる。でも、失礼ながらそういうのは貧乏性と呼ばれるべきであって、地球環境のための「もったいない」とは一線を画している。まずいのに食べ続けるなんて、それはもう食事の奴隷だ。空腹が満たされているなら、それ以上は残して捨てるのだって勇気の内だと思う。先進国は飽食の時代を経て「とにかく量を」から「美味しいもので満たされる」、贅沢なひとときに突入している。お金の損を惜しむあまりに、不本意なデブになる必要はないだろう。

 うちのおばあちゃんは昔から「まずけりゃ残せ」と言っていた人である。だから「昔の人は食べ物を大切にした」という言葉は当たっていない。食べ物が少なかったから大事にしたのであって、それが豊富に手に入る時代には、常識が変わるのも当たり前なのだ。