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失われていくのかなー、な日本の風景

 最近、引っ越しをしたら、家具家電の運び込みから何から何までスムーズでビビる。配達に来た人たちは皆テキパキしていて、無駄口叩かないし、スマートに働いてさらりと帰って行く。あれでいくら給料を貰っているんだろう、子ども二人育てて、大学を卒業させるくらいは貰っていてほしい……と思いつつ見送った。ああいう時ってどうやって好意を示せばいいんだろう?チップとか渡せばいいのか、お茶でも出せばいいのか。

 「低賃金なら手を抜いてもいい」という言論をおおっぴらに聞くようになったから、日本の労働意識は、これから低下していくのかもしれない。だとしたら、いま見ている普通の風景が「失われし日本」になる日も遠くないのだ。それはいいのか、悪いのか。低賃金のお店ではサービスの質が低いのが当たり前、上質を求めるなら対価を払え、というのは正しい。正しいし、それがまた格差につながるんだろうな、と思う。サービスにお金を払う人と払わない人とで、文化的な生活ができるかどうかが分かれていくというか。

 今の日本は、そういう差別化ってほとんど図れていない。コンビニの店員のほうが、喫茶店のバイトよりもいい接客をしたり、近くのスーパーのほうが、有名ホテルの従業員より気の利く対応をしてくれたり。そういうところ、ちゃんと区別できなきゃだめだろって思う。よい対応をする人を、コンビニなんかに置かないで、ちゃんとした給料払ってしかるべきところで接客してもらったほうがいいのに。そのあべこべさも、これから解消されていくんだろうか。解消されたら文化的生活の格差の広まりを実感し、されなかったら違和感が残るし、複雑なところではある。