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女性誌への要望を書くとすれば

 「塩顔」と呼ばれる人たちが最近好きです。坂口健太郎とか、木村多江とか。二重のパッチリ目の需要は多いけど、個人的には、さっぱりあっさりした顔立ちの人が見せる奥ゆかしさ、上品さ、色気っていうものがたまらない。お醤油顔は濃くてカワイイけど、上品で色っぽくて、というのが難しくなる。子どもっぽいことと、若々しいことは違う。前者は未熟であり、後者は成熟の上に築かれる。

 本屋でちらっとマダム雑誌を覗いたら、わたしの理想からは程遠い中年の綺麗な女性たちが、イケイケな格好をして表紙を飾っていて「40代女子」「50代女子」なんていうパワーワードまで登場していて、理想の世界が音を立てて遠ざかっていくようで悲しい。マダムって、もっと貫禄に満ちていて、生きてきた年月を誇るような美しさがあるんだと思って憧れているのに。もっとこう、着物を着て落ち着きがあるような女の人を、特集してくれませんか。老いに向かって身が引き締まるようなのを。

 今の私が木村多江にかける期待は大きい。ああいう女の人に近くにいてほしい。過度に若作りしようとせず、若い子にはない色気があって、控えめで美しくて。もちろん直接会ったことがないからなんとも言えないけど、遠くから見ている限りではそう感じる。知性と色気を同時に感じさせる40代って羨望する。

 うちの父は近頃、平均寿命までの年数を数えて「俺もあと何年だな」と言うようになった。若い頃からそれを意識していたら、父は違う時間の使い方をして生きてきたかもしれない。年齢っていうのは、お肌の状態を気にする目安じゃなく、自分が人生のどこらへんにいるのか示す、ただの地図みたいなものだって、影響力のある人にコラムでも書いてほしい。日本に、本当に綺麗なマダムが増えるように。