読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

『シンデレラ・コンプレックス』

 「いつか王子様が来て、私を幸せにしてくれる」という思い込み?をシンデレラ・コンプレックスと言うことは知っていたのだが。そういうの、誰にでもあるんじゃない?天から降りてきた美少女が自分のすべてを肯定してくれると思うのも、王子様を夢見るのと変わりないんじゃないか。でなくても「全部、面倒見てくれる人が現れたらいいなあ」っていう考えは、誰の心にも巣食っているような。でも、結局は自分の人生を自分で背負うしかなくて、その重荷を誰かに持ってほしいなら、神様なり世間の常識なりに従って(つまり自力で考えることをその分放棄して)生きていくしかない。

 そういうことを考えるときに、女であるっていうのが、こんなにハンデになるとは思ってもみなかった。この本に書いてある通り、学校の先生たちは、女の子に限っては成績よりも素行を褒める傾向にあったし(成績が悪いより、スカートが短いほうが叱られる)、女性は従順なほうがいい(学級委員長はたいてい男の子だった)というメッセージが絶えず社会からは発されている。そこを打ち破って行くのは、ものすごい覚悟とエネルギーが要ることだから、誰もあえてやりたくはない。それくらいなら、かぼちゃの馬車に乗るほうがずっといい――仕事で創造性を発揮するよりも、家庭で安穏としているほうがいい。

 どう考えても、女性の能力を使いこなせないって、国難に等しいんだけどね。それを助長する社会が成り立っちゃっているのは歯がゆい。別に私はフェミニストじゃないけど、自分が強い女の人に頼りたいからっていう理由で、女性にはもっと社会進出してほしい。それに、かぼちゃの馬車は、年取ってから降りろって言われたら悲惨だから、女の人には夫じゃなく、社会にもっと依存してほしい。自分の足だけで立てなんて、誰も言ってなくて、依存先を増やすことが大事。そういう時代になったんだと思う。