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えこひいきとその後

 中学校の頃、えこひいきをする先生がいて、私はそのとばっちりを食らっていた。どうして今、こんなことを思い出したかと言うと、贔屓されていた側の可愛い子が、一体どうなっているのか気になったからだ。あるとき先生は、私を学級委員にするからと口約束をしておいて、実際にはSちゃんという女の子を登用した。Sちゃんは、人当たりがよく可愛いけれど、成績がいいわけでもなく、人の言うことを大人しく聞くだけの子だった。

 その男性教諭は他にも、まったく選ばれる理由のない男子生徒を、生徒会に入れたりしていた。その生徒は、それまで何も役員をやったことのない子で、Sちゃんと同じように、愛されやすいけれど有能ではなかった。生徒会に選ばれたことで、彼は一部の男子から反感を買って嫌がらせを受けていた。それが普通の反応じゃないだろうか。何もできない奴が、誰かに好かれてるというだけで、実力以上のポストに就いているなんて、面白くないに決まってるだろう。

 あれから月日が経って、かわいいだけのああいう人たちは、今なにをしてるんだろう?と疑問に思う。相変わらず、保護されるだけで生きていくつもりだろうか。目立たず大人しく、誰の邪魔にもならないように生きていくのか。例えば夫にすがって、あるいは上司に媚びを売って。確かに私は、あのとき贔屓のせいで排除された。でも、あの程度の大人に評価されなかったのは、今になってみると幸運だったと思う。

 いい子いい子と褒められる人生っていうのは、褒めている側を超えることがないってことだ。脅威を感じるもの、自分より上のものを、褒めるなんてことはできないのだから。私は今、可愛がられていたあの男子生徒よりも、ずっといい暮らしをして生きている。ホント見る目のない馬鹿な先生だったなあ、と思う。