自分のいる世界しか見えない

 「整形するならしたらいいよ、コンプレックスを抱えながら生きるよりいい」と言う人、それはそうなんだけど……「女優の○○さん可愛い、あれを目指せ」も、言っていることはわかるだが……それはいつまで続くものなのか。「可愛い」は永遠?それ以上の魅力(例えば知性、立ち居振る舞い、話し方、使いこなせる語彙などなど)のほうが、ずっと大事で、さらには習得に時間がかかる。目の前の顔が今変わるよりも、将来に向けて投資したほうがいい、と私は思う。

 人は、自分が経験した以上のことについてはアドバイスできない。上に挙げた「整形しろ」「化粧しろ」は、恋愛系ブログに書かれていたことだけど、書いた側は、きっとハイクラスの生活を知らないんだろうな、と感じてしまう。少し文化レベルが上の人だと、忠告の中身はこう変わってくる。「テーブルマナーを覚えて」「接客の人には必ずお礼を言うこと」「教養をつけるため、文学作品に触れるように」こっちのほうが、どう考えても後々の人生に生きてくるだろう。言い方はよくないが、忠告の内容には育ちが出る。自分のいる世界のことしか知らない人間が、別の世界の人に対して偉そうに助言を垂れるのは、見ていて痛々しい。

 私にも、見えない世界はたくさんある。スポーツには疎いし、手芸もやったことがないし、アニヲタの日常も知らない。知らないこと自体は別に構わない。ただ、自分の無知については、自覚的でありたい。中途半端な人ほど「日本は学歴社会」とか「要は金だよ」と世の中を見尽くしたような台詞を吐く。そういう人種はこっちから願い下げだ。人を選ぶ際の基準に「世界が広い人」を掲げて生きていこうと思う。