オペラ座コンテンポラリー

 コンテンポラリーダンスを好きになり始めてる。パリ・オペラ座のバレエ団が来日中ということで観てきた。来日中のスケジュールの前半は、クラシックバレエの妖精譚『シルフィード』、後半がコンテンポラリー『ダフニスとクロエ』その他。

 『ダフニスとクロエ』を見ていて、言葉がない原始的な世界のことの思い浮かべた。踊る、ただそれだけ。人に見せるためではなくて、儀式のように神事のように体を踊らせるというシンプルな事実。もちろんオペラ座が得意なのはクラシックだ。でも、クラシックの伝統衣装を身に着けて、綺麗に綺麗に踊ろうとするクラシックの時の彼らは、すごく観客を意識している。その点、コンテンポラリーを踊る時は、まるで観客の存在なんてないみたいで、観ているこちら側は誰かの昔の物語をずっと盗み見ているような、不思議な感覚にさせられる。こっちのほうが好きだ。

 本当に、囲炉裏端でおばあちゃんの語る昔話が、音のない映像になって見えているような感じだった。途中までは。最後に、やっぱりどうあっても彼らは観客に向かってアピールしなければ済まないような振付があって、静謐さが消えて残念だったといのはある。振付自体は、あまり面白くなかった。途中までの空気感はとても神秘的だったけれど。

 それにしても、日本舞踊に比べて大きい腕の動きの多いこと。両手を大きく広げる姿は、猛禽類が威嚇してるようにしか見えない。孔雀が翼を広げているようだと言ってもいい。なんだか文化の差異を感じる。