おばさんの性

 おばさんの性欲について書かれた本で、インパクトがあったのはこの二冊です。中村うさぎ『私という病』、内藤みか『いじわるペニス』。後者は小説だけど、実体験がないとここまで書けないだろうなーと思う。逆に取材だけでこれを書けたなら、力のある作家なんだろう。

 中村うさぎのほうは、作家本人が整形したり、ホストにハマったりと話題に事欠かないイメージがあってあまり好きじゃなかったものの、悩んで七転八倒する姿を赤裸々に晒す彼女の、怨念に近いパワーを感じる一冊だった。図書館でもたまに借りられてるけど、たぶん女の人が読んでるんだろう。女性が年齢を経て、性的弱者へと転落してしまうことの恐怖や悲哀が伝わってくる。でも、自分はここまで悩み苦しんだことがないから、作者のリアルな思いの100分の1も理解できてないんだろうけど。

 内藤みかのほうは、なんだか本当にリアル。小説なのに、現実の痛々しさが見える。若い男を金で買う気持ちって、本当に複雑なんだろうな。女性の風俗遊びは男性に比べて社会的に認められていないから、若い男を買う女は、客であるにも関わらず立場が窮屈っていう矛盾。印象に残ったのは、主人公が買った男が「これ、カードでも買えるんだって」と、高価な商品のパンフレットをこれ見よがしにすべらして寄越す場面。こうやって人にたかるのかあ、そして、女性のほうも買ってあげちゃうのか……とちょっと考えさせられた。なんか、おばさんたちのエロスって、きちんと向き合えばちゃんとした(つまり陽の当たる場所で堂々とできるような)ビジネスになると思うんだけど。