みんなの妄想の中身をヒアリング その2

 「突拍子もないことを突然やってしまう」系の妄想は多かった。特に日頃おとなしい人が「何人かでお茶してる時、自分が急にコップをガチャン!ってしたらみんな驚くだろうな」とか「建物の中にある消火器を、思いっきりそこらへんにぶちまけてるとことか想像しちゃう」って人もいた。あるいは「全校集会で、周り皆静かにしてる時に、自分だけ意味不明なこと叫び始めたらどうしようって思ってた」と学生時代の記憶を語る人も。

 私の場合は、一時期「外に出たら横断歩道で転ぶんじゃないか……」と悩んで(?)いた。別にいいんだけど、なんか気になるんだよね。車とか通行人とかがいるところで、ずっこけるかもしれない…っていうの。その頃は生活が内にこもりがちだったから、外で起こる事態のあらゆることを想定して悶々としてた。外出が日常になってしまうと、そんなことないんだけどね。

 訪問してくる人っていうのも怖かった。これは仲間がいて、「居留守使ってるときに玄関をバンバン叩かれてホントに怖かった」「インターホン鳴らされても出たくなくて放置してたら、怒号が聞こえてきて怯えた」とか。よくわかる。相手がどんな人間かよくわからないときって、不気味な思いをするから。集合住宅に住んでいると、他の部屋の些細な物音や水音が、いちいち気になるっていうのもわかる。世の中の大勢の人に比べて、過度に敏感なんだろう。もっともそういう人間は、異変の察知も早いらしいから、仲間には気落ちしないでほしい。