創造性と教育の話

 湯川秀樹『創造的人間』を引き続き読んでいるけど、「日本の教育は独創性の発揮を促すようにはできてない(意訳)」という主張は当たっている。そりゃあ、口では「自分の頭で考える子どもを育てます」とか言っておきながら、実際には大人の望むようなことを、大人の望むタイミングで言ってくれる生徒を、いい子いい子しているだけだから、本当に独創性のある子は苦しむわな。「1+1は、なぜ2になるのですか?」と幼き日のエジソンみたいな発言をしたら、今なら下手したら病院に連れて行かれかねない。実際、そんなことを言ってカウンセリングを(強制的に)受けさせられたってケースもあったな。

 そういう教育体系が、一方では従順でよく働く人々を産み出したのだとしても、もう一方では深刻な人材流出を招いている。実力のある人は海外に行っちゃう、みたいな。今の教育制度の何が嫌いって「オレは昔ガマンした。だからお前もしろ」と意味不明な忍耐を強いてくるところにある。それで根性とか育つわけないでしょ。育つのは指導者への殺意のみ。人を教える立場にいる人間が、時代の移り変わりと危機感を有さない限り、教育現場は変わっていかないだろう。

 自分に何ができるのかはよくわからない。自分が強いられた我慢を年下にも押し付けたい、っていう酷な願望は、ひょっとしたら自分の中にもあるかもしれないから、余計なことは言えない。せいぜい、後輩の邪魔をしないように生きるだけ。