ポリティカル・コレクトネスを憎むようになった話 その一

 「心の病気で不登校のかわいそうな子です、仲良くしてあげてね」と先生に押しつけられた女に、8年間搾取されてた。時間とか、精神的エネルギーとか、労力とか。「私はかわいそうなんだから、誕生日に私が欲しい物を買って送れ」というたかりも「私の好きな本をあげるから、感想を聞かせて」という押しつけも「あいつ(私)から貰った漫画、マジ意味わかんない」と、私にアカウントを教えたツイッター上で呟くことも、彼女は「うつ病のかわいそうな子だから」ということで許された。かたや私は「きちんと学校に通える健常者に生まれたことを感謝して、メンヘラ女に尽くせ」と言われ続けた。

 「メンヘラはあぶないよ、機嫌を損ねると死んでやるとか言い出すし」という言葉を真に受けて、「あの子が自殺して私のせいにされたらどうしよう……」とずっと怯えていた。田舎でできた関係だったから実家は知られているし、万が一、家族に危害が及ばされたら嫌だとか、いろいろ考えていたら絶交が遅れた。

 その当時、習い事(バレエ)をしていて、私は先生に一対一で教えてもらっていた。所詮プロにはなれないし、普通のクラスにも付いていけないからという理由で、ゆるゆるした個人レッスンだったのだ。そうしたら、メンヘラは何を思ったのか

「そのレッスンを見学させて。あなたが躍るとこ、見てみたいの。素人なのは知ってるから、クオリティは期待してない。そこは安心して」

 と言ってきた。キモい、と思った。先生に迷惑をかけるのは嫌だったし、怖くて不気味だった。なんでそんな図々しい要求ができるのかわからなかった。周囲に相談したけど「病気っていうのはそういうものだ。病気なんだから仕方ない、その子だって苦しいんだ」と言われた。