心になんとなく残ったシーン

 最近読んだ本の中から、心がざわつくシーンを抜粋してお送りいたします。

『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』からはココ

なんて言うんだろう、飾り物にはぜったいならないような顔してんだから、少しは頭を使えよ、って言いたくなっちゃうタイプ。うちの親戚にもこういうおばさんいたなあ、と帰り道で思い出した。

  ドキッとする。男の人の本音って感じだ。美人じゃない=価値がないんだから、どっかでカバーしろやっていう思想。これ、自分が言われたらすごい惨めだろうなーって漠然と思う。どんなにフェミニストが頑張ったところで――と言っては彼女たちの努力を軽んじることになるのかもしれないけど、そうじゃなく圧倒的な事実として、美しさの人的価値に占める割合は、男性より女性のが大きいよね。でなきゃ美容産業は、ここまで大きくはならないだろう。

 もうひとつは『活版印刷日月堂』から、文化祭の準備の場面

部会で、小枝が「みんながちがう本の一節を選ぶのもいいが、活版印刷を使うのだから、全員『銀河鉄道の夜』のなかから好きな一節を選ぶのはどうか」と提案すると、「それなら教室全体を『銀河鉄道の夜』をイメージした世界にしよう」「壁面を夜空に見立てて栞を貼ろう」「部員は印刷所の植字工をイメージした作業服のコスチュームにしよう」などといろいろ案が出て、どんどん話が進んだ。

 もちろん作者の理想でもあるのだろうけど、私もこんな高校生活が送りたかったよー……と悲しくなった。だって、こんなポンポンアイデアが出てきて、先生もそれを止めないなんて天国じゃん。私なんか、何言っても相手にされなかったわ。「無理。却下」で終わり。羨ましくて、読んだとき疲れていたから不覚にも泣いた。