日本人は昔からこうだよ

 買おうか迷ったんだけどパオロ・マッツァリーノが解説と聞いて(帯を見て)購入。

『「月給100円サラリーマン」の時代 戦前日本の<普通>の生活』800円+税。

 

www.chikumashobo.co.jp

 HPを見たら「著作者について」のところが「写真は只今撮影中です」になってる。待ってます。

 

 近頃はベアーズとか、家事労働の代行会社が台頭するようになったけど、この本にも書かれてる通り昔は女中さんを置くのが普通だった。そういえば、うちのおばあちゃんも昔は雇ってたらしい。真面目に働かないし、時代もお手伝いさんを必要としなくなった(主に電気製品の普及)こともあって、私が生まれた頃にはもういなかったとか。

 おばあちゃん世代にこういったエピソードは多い。昔Aさんの家で働いていたというBさんが「今になってAさんと会うのは苦しい。昔はお嬢様なんて呼んでいたけど、彼女の家は落ちぶれたし、何を話していいかわからない。街でも避けて歩いてしまう」と、うちの祖母に愚痴っていた。微妙な関係だもの、買い物とかで顔を会わせるのも気まずいだろうなって想像はできる。

 詳しいことは本文に譲って解説を見ると、安定のパオロ節だった。

電車で化粧する女性の増加が最初に問題視されたのは、大正時代のことでした。ちかごろ、振り込め詐欺オレオレ詐欺のニュースを聞かない日はありませんけど、戦前昭和の詐欺被害認知件数は、いまの10倍以上もありました。

 人間っていうのは、世の中が変わってないことを認めたくないのだろうか。「昔はよかった」も「昔はもっとひどかった」も同じくらい嘘くさい発言に思える。だって、普通の人々が子孫を残せる程度には生活していけたからこそ、我々の世代が生きているわけで、食っていけないくらい苦しかったら、単純に生き残ってないよね。

 戦前は今をも上回る学歴社会だったってことを聞けば、今が平等みたいに聞こえるけど……教育ヒエラルキーが親の収入に依存することは今も変わらない。そして、いくら勉強だけできていい大学に入っても、教養のある文化的資本豊かな学生たちの中で浮いてしまう、とか、もう世の中どうやって生きていったらいいんだよね。

 「どうすればいいのか」の答えなんて誰も持っていないから、とりあえず死ぬとき後悔しないように生活するのがいいと思う。些細な不愉快を忘れる気晴らしの方法を持って、あまり真面目すぎずに、顰蹙を買うほどはっちゃけずに、淡々と淡々と淡々と好きなことだけするのだ。