ホームレスが怖い

 ホームレスが怖い。道端にいていきなりワケのわからないことを叫んできたり、「見て見ぬふりするなよぉ」とクダを巻いていたり、とにかく「この人たちとまともに会話はできない」と思うようなことがよくある。ビッグイシュー(ホームレスが路上で売り、その売り上げが販売者の収入になる)の雑誌を持っていた男からは、通りすがりざまに「ええっ、買わないのかよ!」と言われて怖かった。

 貧しさってこういうことだ。衣食足りて礼節を知る、は嘘じゃない。「貧しい人がいる限り、私たちも豊かになってはならない」的なこと言う人、生活基盤が安定していない人たちが社会にかけている迷惑を見てから言ってください。普通に道を歩いていて、いきなり大の男に威嚇される怖さをわかってから言ってください。本当は「彼らも私たちも豊かになりましょう。そして人間らしい暮らしをみんなでしましょう」って言うべきなんだよ。

 豊かになれば、劇場に行ける、本が買える、高等教育が受けられる、美術品を買って家に飾り、靴職人に靴を作ってもらって、着心地のいい服を選んで着ることができる。そうして、それに関わる人々が潤っていく。文化っていうのは、そうして支えられていくんだ。日本国憲法は「健康で文化的な、最低限度の生活」を謳っている。であれば、それに反することを強いてくる奴は、国の方針に反しているのであって、非国民呼ばわりされたって仕方ないと思う。