「かわいい」の意味はすなわち愛玩具

 「かわいい」が何を意味するかをずっと考えていたけど、愛玩具っていうのがぴったりくる。一個の人格を持った個人ではなく、人形のようなペットのような存在に対して抱く気持ち。でもって、自分に劣等感を抱かせたりせずに言うことを聞いてくれそうな健気な雰囲気。だからそれは、人格を対象にする「愛されている」とは、天と地ほども違う。

 このところ『国語辞典の遊び方』という本を読んでいるから、それにのってつい、日頃使う言葉の語釈を考えたくなる。辞典によって語句の解説が違うことを、著者のサンキュータツオさんは「国語辞典は、国語学者の理念そのもの、もう、作品なんです!」と熱く語っておられるが、確かに辞書によって解釈はいろいろだ。特に「恋愛」の項で、対象を異性に絞るかどうかで、作った人の人間観も見えてくる。言葉の意味に、正解なんてないのだ本当は。

 そういえば、映画『舟を編む』は辞書作りの話だった。あの松田龍作は最高だと思う。スーツ姿の、真面目で内気で冴えなくて、でもなんとなく幸せになってしまう、あの感じ。それからオダギリジョーの演じたチャラい西岡さんもとてもハマっていた。

 で、個人的に書いてみた「かわいい」の語釈。

【かわいい】相手を軽んじながら褒めたいときに使う言葉。主に愛玩具、ペットに対して抱く「自分の思い通りになりそうだから愛らしい」という気持ち。対義語は「かわいくない」自分の立場が脅かされそうなときに使う人もいる。