貧富の差とか言うけど

 貯蓄が可能になったあたりから、貧富の差が広がっていった――そういう話を歴史の授業で聞いたことを思い出す。農耕社会の到来は、保存できる食料と共に、貧富という差異を人間社会にもたらした。それよりもっと昔は、食料は腐らない内に交換するしかなかったから、富である食べ物も貯めこみようがなかった。

 それが現代社会になんの役に立つのか、と言われそうだけど、お金を期間限定で使えるようにしたらどうだろう。土地に関しては一代限りとか、なんでもいいけど、期限が来るまでに使わなければ価値がなくなると思えば、誰だって江戸っ子になって宵越しの金は持たなくなるだろう。電子マネーの世界だけでもいいから、そういうのができないかな。物々交換だった頃の世界により近い、そもそも貯めることが不可能な構造。そうすれば、貧富の差って少しは是正されるんじゃないか。

 たぶんネイティブアメリカンの人々なんかは「土地の所有」っていう概念を理解できないだろう。近代社会は彼らを「未開」と言って排除してきたけど、むしろ学ぶべきことがあるんじゃないか。土地はそもそも、誰かの所有に属するようなものなのか?富は誰かのところに貯蓄されるべきものと決まっているのか?そういう根本からの問い直しを今、してもいいはずだ。