「非属」は本当に難しい

 山田玲司の『非属の才能』を学生の頃に読んで、ふーんそうかと思ったっきり放置していたのだけど。

 「どこにも属さない」は確かにひとつの才能だけど、とても苦しいし難しいと思う。「なんらかの組織に依存して生きていきたい」っていうのは、人間として自然な欲求だろうし、殴られても蹴られても、どこかに属しているほうが楽だと考える人たちがいるからこそ、組織内部のハラスメントってなくならない。自分一人で立つことは、響きはかっこいいけれど、実際とてもキツいことだ。

 どこかに属していれば、自分とその人たちとは仲間で、自分は異常じゃなくて、何かあっても不利益を被るのは自分だけじゃないから楽だ。「所属」という安定欲しさに、部活なり宗教法人なり、あるいは会社なりに寄生する人はきっと多い。ひきこもりで無職の人々ですら、ツイッターで誰かと繋がりを持ったり、コスプレイベントに参加して、似たような人々とつるんでいたりする。「非属」を貫けるのは、実際にひとつの才能なのだ。そして、その才能が報われるという保証はどこにもない。下手したら、孤独なままで一生を終えるかもしれない。

 それくらいなら、どこかに属して普通に結婚して、世間から後ろ指さされないように生きるのだってひとつの選択肢だ。本人が納得してさえいればね。一人で立てるのは才能だけど、一方では他者を必要としない、誰かと繋がりを持てないという諸刃の剣であって、それを称揚するのは危険なことだし、かえって人を誤った方向に導くこともあると感じてる。