HKBってね

 HKBって「閉経ババア」の略なんだろうな、中村うさぎがやってたっていうアイドルグループ(アイドルではないと思うけど)。彼女は整形したり、ホストに貢いだり、風俗嬢になったり、捨て身でルポルタージュを書いている人なので興味はあった。赤裸々な文章は、たとえ俗っぽくても人を惹きつける。このユニットはもう活動していないらしいが、その趣旨を想像して書く。

 女の人は死ぬまで女で、性欲だって減退はしても何歳になったってあるだろうし、それは男の人と同じだ。若い男を色目で見ることもあるし、あわよくば一緒に寝たいと思うかもしれない。そうでなくても、たまには夫じゃない男と楽しく話したいかもしれない。それなのに世間は、女性がそういうことをするのには厳しい。特に、年配になった閉経後の女を女じゃないみたいに扱い、ババア呼ばわりして敬遠し、若い男に熱狂の声を上げれば「イタい」と言う。男性の風俗通いはなんとなく許容されても、女性のそれは不可触な何かみたいに扱われる。そういう状況への反乱。

 でもこれって「女としての自分」にとらわれ過ぎじゃないかと思う。「女」という側面以外に、多面的に自分を捉えてきた人なら、陥らなくて済むトラップなんじゃないか。世の中にはいろんな物差しを持つ人がいて、誰もが着飾った若い女に価値を見出すわけじゃない。すっぴんの素朴なおばさんを、好きになることだってあります。「モテる」ことは素敵なことだけど、モテないからって人間としての魅力がないわけじゃない。クズでもモテる人はいるし。

 「いくつになっても女を捨てない!」って意気込みは素晴らしい(?)けど、気にしぎるとドツボにはまる。私は、そもそもそういうことに振り回されて生きる、悲しいおばさんにはなりたくない。