人を好きになると世界が広がる

 「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」は、汎用性が高くて気に入ってる慣用句のひとつ。この逆はなんだろう?誰かを好きになると、その人の持ち物まで好きになる現象をなんて言うんだろう。こんなことなら、国語の授業をもっと真面目に受けておけばよかった。気持ちを表現できる言葉や言い回しは、多いに越したことはない。ぴったりくる表現があるだけで救われることはあるから。

 人を好きになればなるほど、その人の好きなものが気になる。そうやって興味のあることが増えていく。逆に、人を嫌うとそれだけで、食わず嫌いで済ませることが増える。そう考えると、あんまり人を愛さないってことは、それだけで視野を狭くする危険性を含んでいるわけで、そんな風に年を取っていくのは怖いな。「理解しようとしたものの、まったくわからなかった」は構わないけど「最初から何ひとつ知りたくない」という態度は、日常を退屈にする一番いい方法かもしれない。

 と言っても、そうそう人を好きになることなんて頻繁にはないから、人生がおもしろいと思えない時は、とりあえずかっこいい人が着ている服に興味を持って真似しようと思ってる。「革ジャンなんて似合わない」とか言わずに着てみれば、少なくともいつも違う気分が味わえるだろうし、Tシャツを着たらラフな気持ちになるかもしれない。たぶん来週あたりには、彼シャツと称して今まで着たことのない柄のシャツを着ている。