ここから出て行くための言葉

 日本から出て行きたいから外国語を勉強する……そういう思考回路があるんだってことに今さら気づいて、趣味でしか語学を学んだことのない自分との差を思い知らされる。そういえばアフリカ系の女の子(たぶんムスリム)が「女性の権利が尊重されるから、フランスに行きたい(だからフランス語を学ぶ)」みたいに言っている映像、なんかの映画の予告編で見た。切実だし、目標設定が明確だ。なら習得も早いだろう。

 自分はどうか、と言われるとわからない。日本以外のどこかを拠点に暮らすってことを、あまり考えてこなかった。外国語は、世界を広げ人生経験を積むための手段であって、日常生活に使うものじゃない。私がそれを喋る機会もないし、読み書きに使うわけでもない。外国の言葉なんていうのは、そういうものだと思ってきた。

 移住や滞在を視野に入れて学べば、外国語を学ぶ効率はすごくよくなるんじゃないか。そうして「日本が居づらくなったら、この国に行けばいいや」という気持ちを持てるようになったら、それはそれで(実際には観光や旅行ですら行かなくても)心の余裕になっていいかもしれない。それにしても「いつかこんなところ出て行くんだ」っていう強いモチベーション、そんなものがあるんだっていうことすら、久しぶりに意識にのぼった気がする。平和ボケしてんなあ。