大丈夫だよと言いたい

 子どもの頃に未来に向けて書いた作文を読み直したら、あまりに夢がなくて愕然とする。勉強についていけているのか、とか、苦しい思いをする羽目になってないか、とか、心配性っていうよりも、周囲の脅しの言葉を丸呑みにして震えている子どもがそこにいる。「学年が上がるんだからしっかりしなさい」「勉強ができないと将来が大変よ」って常識に怯えるばかりで、子ども時代を全然楽しめてない。

 大丈夫だよ、と言ってあげたい。大人の言うことを聞いて彼らに時間を売り渡しても、報われはしない。ただのいい子って言われるだけで、それと引き換えにあなたは、子どもに許されるすべてを失う。そんなに怯えなくても人は勝手に大人になるし、大人になったからって完璧になるわけじゃない。完璧な人間以外、存在が許されないわけでもないし、いい子だからって愛されるほど世の中は単純じゃない。要は、どう生きたっていいわけで、だから大丈夫だよ。あなたが思い描いた通りの未来にはならないけど、それを含めて「大丈夫」。

 でもこれって、ひょっとしたら何十年後かの自分が、そっくり今の私に向かって言うことなのかもしれない。思い描いた通りにはならなくても、だからって何も悪いことはない。人は勝手に大人になるし、人を脅す奴の言うことを聞いたところで、報われる保証はない。時間軸を変えてみると、少しだけ人生が俯瞰できる気がする。