誰かにとって一番でありたい

 恋愛したいという思いの根底には「誰かにとっての一番になりたい」という願望があるんだと思う。自分が代わりのいない、かけがえのない一人だと信じられれば、それは存在意義になる。大袈裟に言えば、自分がこの世にいる理由になる。恋の場面ではそれがわかりやすいから、存在価値を確認する手っ取り早い方法が恋愛。誰かに「あなたでなければだめ」と言われることの快感。だからこそ、恋人が奪われると絶対に許せなかったりする。他の誰かが、その人にとっての一番になってしまうことは、自分の存在価値が貶められる行為なのだ。

 自分はどうしてこんなことを考えるんだろう。親にとっての一番になれなかったっていう感情があるからかもしれない。

 一人っ子にはわからない感情だけど、兄弟間に親の愛情の優劣があるっていうの、本当に時々複雑な気分になる。たぶん上の兄弟のほうが愛されていて、自分はおまけみたいなもので、中途半端な立場なんだと考えるだけで切ない。実の親がくれなかった「あなたの代わりはいない」「あなたが一番」というお墨付きは、この先誰かから受け取れるものなんだろうか。それとも、誰かがそう言ってくれたところで、やっぱり親から認められなければ満たされないものなんだろうか。