好きでもないことども

 単に「それができるから」という理由だけでやっている、好きでもなんでもないこと。そういうものについて考えてる。

 人に褒められるからやっているけど、別に好きでもないこと。やりたくはないけど、なんとなく止められなくて続けていること。そんなことばっかり積み上げていくと、生きてて何が楽しいんだかわからなくなる。今まさにそんな感じ。何が楽しいんだろう、ホントに。

 オー・ヘンリーの『最後の一葉』の中に、こんな台詞があった。

「何か気が紛れるようなものでもあればいいんですが……たとえば男とか」

「男なんてものは……あ、いいえ、そういうものはありません、先生」

 病人が自分の死のことばかり考えているから、どうにか気を散らすものはないのかって医者が訊くシーン。でも生きるに値する理由が始めから与えられていたら、誰も死ばかり願ったりしないんじゃないか。恋人がいれば生きていたいって思えるほど、異性の存在って大きいかなあ。

 好きでもないのになんとなく続けてることって、最大のそれは「生きること」なんじゃないの、たいていの人にとって?それは、おいそれとは止められなくて、そういう理由で生きている人間が世の中の九割九分なのだとしたら、神さまは何か設計を間違えたとしか思えない。

 それとも世の中には、自分の生きる意味が完璧にわかっていて、みんながみんなにこやかで健やかな世界があるんだろうか。私の目に映る世界が、単にこの色をしているだけで?